スポーツメーカーに勤務しながら3人の子どもを育てるママさんトレイルランナーの板橋美紀さん。
ハセツネ30Kで年代別優勝などの記録を持つ彼女に、娘と開催するイベントについて綴ってもらった。

私はソフトバレーのプレー中にアキレス腱を切ってしまい、リハビリの一環で走ることを始め、トレイルランニングに出会いました。
走力向上のため練習する私の姿を見て、娘の黎れい華かも走り始めました。
当時は娘に辛いと思わせないようにコース設定を工夫して、楽しんで練習できることを大切にしており、その経験を活かしイベントを行うようになりました。

イベントを開催する際に大事にしていることは、自分たち自身が楽しむということです。
そしてその輪を参加者全員とつなぐことで、お互いの活力の向上へとつながっていくと考えています。

トレランには「ハードルが高い」「ストイックそう」というイメージを持つ人もいると思います。
そこで、私たちは会話を交じえながらコミュニケーションをとったり、その地域でしか味わえない体験をすることで、トレランの新しい楽しみ方を伝えています。
参加者の皆さんとは、私が補給食に作っていくケーキやオヤツに含まれる、栄養素について話しながら走っています。そんな時、私が単語を言い間違えると、娘の黎華が即座に突っ込んでくることが度々あり、ボケ&ツッコミのような親子のやり取りが皆さんには楽しいらしく、常に笑いは絶えません。

今年1月に「奥武蔵に熊鍋を走って食べに行こう」という20㎞のイベントを開催。
熊の油は人間の身体にとてもいい効果を与え、食べた直後に肩凝りがなくなる人もいるほど血流が良くなるとのことで、冬の寒い時期に企画しました。
参加者の方々も熊を食べるのは初めての方が多く、みんなワクワクしながら走りました。
お店でいただく熊鍋は格別!
その後も残り5㎞走り、一山越えて帰りましたが、みんな熊のように元気そうでした。
地元のジビエを堪能するのは、地産地消でもあり、それもまたトレランの醍醐味ですよね。

トレランでは、山での装備が大切なので、イベントを提示するときに、その行程にあった装備を提案し、実際に商品の名前や必要なものを細かく書き加えることもしています。
例えば、今回のような冬のイベントではダウンなども持っていくと荷物が増えるため、15L以上の大きめのトレランバック(salomonXA15、ADVSKIN seasons15など)。
足元のトレランシューズは、山で滑らないようにグリップの効いた安定性とクッション性のあるモデルなどを詳しく記すようにしています。

これからも私のライフワークとして、自分の経験を活かしたイベントづくりを娘と共に続けていけたらと思います。

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